白樺便り

長野市富竹で開業している行政書士のブログです。日々の出来事、気になったことなどを書き記しています。
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夫婦別姓考<前半>
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       東京地裁で「夫婦別姓の権利は憲法上保障されているとはいえない」として原告の請求を棄却した判決が出たようです。
    【参考】
    http://jp.wsj.com/article/JJ12221447266347933683619174153071196336156.html

       判決文は明日の新聞をゆっくり眺めるとして、一考を記します。

    【「憲法上保障されている」とは】

       憲法上認められた権利には、憲法に明記されている人権(学問の自由など)と明記されていない人権があります。
       憲法に明記されている人権というのは、1946年の憲法制定時に概念として考えられていた人権のうち、国家権力によって侵害されがちな歴史をもつゆえ、特に憲法で保護すべきと考えられたごく一部の重要な権利です。
       当然、時代の経過により社会が発展し経済活動が高度化すると、さまざまな権利が考えられて保護する必要性が生じてきます。

       そこで、解釈上、憲法
    13条の幸福追求権と呼ばれる条項を根拠に「新しい人権」が憲法上保護される人権として認められてきています。
       もちろん、なんでもかんでも「新しい人権」として認めるわけにはいきません。どんどん認めていってしまうことを「人権のインフレ化」なんていいますが、人権の価値が希薄になってしまいありがたみがなくなります。
       
    そこで、仝朕佑凌由陛生存に不可欠であるか(人格的不可欠性)、⊆匆颪伝統的に個人の自律的決定に委ねられたものと考えているか(歴史的正当性)、B真瑤旅駝韻行おうと思えば行えるか(普遍性)、す圓辰討眤梢佑隆靄楔△鮨害するおそれがないか(公共性)、などを総合考慮して決定することとされています。 

    【夫婦別姓の権利が憲法上保障されているか】

       この訴訟における権利は、記事によると「夫婦がそれぞれ婚姻前の姓を名乗る権利」とされています。「姓名保持権」といったところでしょうか。

       それでは、上の基準に照らしていきます。

      /佑禄仞源に姓名が決まり、他者からその姓名で呼ばれ自分を識別します。姓名なしに番号などで呼ばれることは人格を無視したといえるでしょう。そうすると、人格的不可欠性は満たしそうです。

    ◆ 々掌融代までは一部の者にしか姓はありませんでした。その中でいえば、氏姓制度以降「姓」は血族集団を表すものとして機能しており、社会が個人に委ねたものとまでいうのは難しそうです。ただし、女性には適用がなかったため、男女平等が前提の現代ではこの時代は参考になりません。

       明治時代に戸籍制度の導入によって姓のない者はいなくなりました。ここでは、徴兵制の礎として家制度が設けられ、戸籍はその役割を担っていました。徴兵逃れなどの養子縁組などが行われましたが「家」を表すものとして機能しており、ここでも社会が個人に委ねたものとまでいうのは難しそうです。ただし、やはりここでも男女平等がないため、参考にできません。

       敗戦後現行憲法になり、個人の基本的人権の尊重が謳われて家制度が廃止されると、いよいよ社会が個人に委ねたといえる余地は出てきます。しかし、ここ70年ほどを伝統といえるのか、姓の変更が縁組や結婚程度でしか変わらないのが一般的であることからすると、社会が個人に委ねたというのはやはり難しそうです。

      多数の国民が行おうと思えばできるし、ぢ梢佑隆靄楔△鮨す心配はありません。

       結局、△領鮖謀正当性が他の要件との兼ね合いでどこまで考慮にいれるべきかで結論が変わってくることになります。

    【本判決の意義】

       「夫婦同氏」を定めた民法の規定の合憲性が問題になるときに、いままで司法は「同氏」とすることに合理性があるとしてきています。つまり、立法論の問題として司法が国会の裁量にまで踏み込まないというスタンスをとっています。今回の判決はおそらくそのスタンスを超え、「別姓を名乗る権利が憲法上保障されているとはいえない」と踏み込んだことに意義があると思います。ただし、あくまで立法論として政府が選択的夫婦別姓制度を採ることを妨げるものではありません。民法を改正して選択的夫婦別姓制度にすることは本判決とは関係なしに可能です。

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